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とくに、肺炎などの感染症にかかったり、過労になったときが危険だ。
そうした危険を防ぐには、ふだんから血圧を正常にし、かつ動脈硬化症の進展を防いでおかなければならない。
さもなければ、大動脈弁を人工弁にそっくり取り替える手術をおこなわないとこれまで述べてきたような例は、近年の医学医療の飛躍的な進歩に負うところが大きい。
なかでも、コンピュータ技術が発展し、精密な検査機器が続々と開発されてきた。
現在の検査機器は、そうしたコンピュータを利用しているものがほとんどである。
たとえば、CT検査は、その名も示すように、まさしくコンピュータを使って人体の構造を画像として表現する。
開発された当初は、検査の時間がとても長くかかったし、画像も決して鮮明ではなかった。
それがコンピュータの発展を受け、ごく短時間で、そのうえきわめて鮮明な画像が得られるようになった。
しかも機器の価格も安くなり、いろんな病院や検査施設に普及している。
こうして、人間ドックでもCT検査はおおいに活躍し、早期のガンなどの発見にきわめて貢献している。
人間ドックが公務員の健康を守るのに、真に役立ったのだ。
転ばぬ先の杖とは、こうしたことをいうのだろう。
さらに最近では、よりいっそう性能が向上したCT検査機器が登場してきている。
ヘリカルCTでは、コンピュータによって、立体的に人体を表現できる。
このため、ごくごく小さな早期のガン病変をも発見できる。
ヘリカルCTは通常のCT検査に比べてまだ十分には普及していない。
、今後普及すれば、ますますガンを早期に発見でき、また生活習慣病の診断にも役立つこだが、今後普江とになるだろう。
血液検査についても、遺伝子を検査できるなど、進歩はめざましい。
遺伝子を検査することにより、生活習慣病など成人に多い病気が発病する前に、病気にかかりやすい状態を発見することができる。
これは、病気を予防するのにつながる。
もちろん、遺伝子の検査ばかりではない。
多くの血液の検査が、正確で、かつ迅速に検査できるようになってきている。
精密な検査で得られる結果は、病気をごくごく初期のうちに発見できることにつながる。
また、技術の進歩は、ごく簡単に検査できるようにもなってきている。
たとえば、血液のヘモグロビン検査などは、わざわざ針をさして注射器で採血しなくても、皮膚の上から検査ができるように研究が進められている。
こうした検査には限界もあるが、なるべくなら痛くも律くもない、まったく安全な検査を開発してほしいと願う。
さて、医学が進んでいるのは、ひとり検査ばかりではない。
治療の面でも医学は進んでいる。
たとえば、薬にしても、すぐれた効果の上げられるものが、合成できるようになった。
インスリンは、血糖を調節する大事なホルモンだ。
騨臓のランゲルハンス島という細胞から分泌される。
このインスリンが出にくくなった糖尿病患者にとっては、欠かすことのできない治療薬でもある。
高くなりすぎる血糖を調節するために、インスリンを定期的に注射しないと病気が悪化し、腎臓が障害されたり、眼が見えにくくなったりしてしまう。
インスリンは、かってはウシやブタの騨臓からとっていた。
動物のインスリンも、人間のからだでうまく働いてくれるからだ。
が、やはり動物のインスリンは人間のインスリンとまったく同じではない。
一部ではあれ、構造が微妙に違っている。
ときとしてこの構造の違いが悪さをする。
構造の違いからアレルギー反応を起こしたり、効果そのものが出なくなってしまうことがあるのだ。
こうした欠点を補うには、やはり人間のインスリンそのものをつくるしかない。
が、これまでは簡単には人間のインスリンそのものを合成することはできなかった。
この至難のワザを可能にしたのは、遺伝子工学である。
こうした遺伝子工学は、インスリンのほかにも、血液をつくるのに欠かせないエリスロポェチンというホルモン、子どもの成長に重要な成長ホルモン、あるいは血友病の治療に必要な血液凝固因子などといった薬を続々と登場させている。
また、遺伝子工学は、遺伝子治療というまったく新しい治療法の開発への道も開いた。
アデノシンデアミナーゼ(ADA)という酵素が先天的につくられない患者では、細菌にたいする抵抗力がきわめて乏しく、小さなうちに感染症で死んでしまっていた。
この病気の治療には、かっては厳重に細菌感染を予防するしかなかった。
宇宙船のような中に一生すめば、命を長らえることはできる。
だが、それでは満足な人間生活が送れない。
そこで、ADAという酵素をつくる遺伝子を、患者のリンパ球に入れてやる。
そうするとADAが体内でつくられ、細菌にたいしても抵抗力がつく。
っている。
遺伝子工学という最新の医療技術は、人間の遺伝子を大腸菌や酵母などに入れ込み、大腸菌やら酵母やらに、人間がつくるタンパク質をつくらせることを編み出したのだ。
さっそく、人間のインスリンをつくる遺伝子が大腸菌に入れられ、大腸菌という小さな「工場」で人間のインスリンそのものを大量生産できるようになった。
このおかげで、糖尿病患者に、安全で、しかも効果のすぐれたインスリンが使われるようになこれなら、手術の負担は小さい。
かっては長い入院が必要であったのに、最近では内視鏡手術がうまく運べば一週間以内で退院ができるほどにもなっている。
乳ガンの手術でも、内視鏡手術がおこなわれる。
皮層に小さな傷をつけ、そこから内視鏡でみながらガンを取り除く。
手術のあとは、シリコンで補填する。
パッサリとオッパイを切り取られる心配がなくなり、女性にとっては大きな福音となっている。
手術が大きな問題さえ残さなければ、わざわざ入院することもない。
を切除する。
アメリカで始められたこの治療法は、日本でもおこなわれている。
こうした遺伝子治療は先天性の病気のほか、ガンの治療にも応用が期待されている。
ガンがふえるのを防ぐ遺伝子を患者のからだに入れたり、転移を防いだりする方法だ。
現時点ではまだまだ完壁な治療法とはいえないが、近い将来には遺伝子治療でガンが退治できるようになるだろう。
薬だけではない。
手術の面でも治療の進歩は目覚ましい。
かっては、おなかを大きく切り開いていた胆石症の手術などが、内視鏡治療という方法で、ごく簡単に治療できるようになってきた。
おなかに小さな穴をあけ、そこから内視鏡や、小さなメスを入れる。
内視鏡で見ながら、胆嚢らだ。
こうした発想は、合理主義の発達したアメリカで生まれた。
外来で手術を受け、麻酔から覚めれば、あとは自宅で療養する。
日本でも、白内障の手術などは、いわゆる日帰り手術として実施されている所がある。
もっとも、いくら手術が簡単になったとはいえ、やはり生身のからだにメスを入れるのだから、慎重にはしたい。
合理的なアメリカでは、医療費がかさむのを恐れて、こうした手術が編み出された背景もある。
合理的なのは、おおいに結構ではある。
が、からだに関することは、ただ合理的ではなく、慎重さが必要だと思う。
健康を守るのに、いくら慎重であっても、慎重でありすぎることはないかさて、れない。
症状があって、病気ではないかと心配になったときには、病院に行って検査を受ける。
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